水曜の黒猫が
水平線に沿ってスッと歩いている
白い入道雲背にすらりと
ひとつ鳴いて
消えゆく時間も
綺麗な言葉も
フィルムを回して
切り取って、色褪せていった
呼吸も鼓動も
曖昧なステップも
世界に溶けてゆくんだ
今はどこまででも行けるのさ!
風になびいてる君の白いシャツも
波にさらわれたそのサンダルも
そっと探してる
目の前に広がる
海の彼方
今は六畳間の隅で息をしてる
小さなアルバムの中
潮風が吹いたら
想い出すんだ
もう一度なんて言わないけど
せめてさ
線香花火が終わるまで
溢れる涙が止まるまで
漂っていたあの日々にずっと
囚われたまま
繰り返す僕ら
あの夏の幽霊!